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田中優子の江戸から見ると

法政大総長・田中優子さんのコラム。江戸から見る「東京」を、ものや人、風景から語ります。

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ジェンダー平等

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 国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の目標5は「ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う」とある。背景にあるのは「女性と女児は世界のいたる所で依然として差別と暴力の対象となっている」という危機感だ。国連はジェンダー平等を「すべてのSDGsを達成するために不可欠の手段」とし、SDGsの中心に据える。

 江戸時代の女性のほとんどは働いていた。それは働く人の約8割を農業人口が占めたからだが、商家では経営者として働く女性も珍しくなかった。長屋でも、長唄や三味線の師匠や、裁縫で生計を立てる女性もいた。しかし、江戸時代の問題は、都市での女性の職業選択範囲が狭いことだ。経済的に困窮すると吉原などの遊郭で働く。遊郭では教養も求められる。女性たちにとって容姿を磨き、教養を深める道につながり、希望を持てたかもし…

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