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菅首相長男接待

総務省幹部が「東北新社」に勤める菅首相の長男から接待を受けていた問題。特別扱いの構図が浮かび上がりました。

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なぜ「女性の広報官」を強調? 首相発言に感じたモヤモヤ

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山田真貴子内閣広報官=国会内で2021年2月25日、竹内幹撮影
山田真貴子内閣広報官=国会内で2021年2月25日、竹内幹撮影

 もやもやした違和感を覚えている。続投方針から一転して1日に辞任を表明した、山田真貴子内閣広報官を巡る言説のことだ。先月24日、続投について理由を説明する際、菅義偉首相は「女性の広報官として期待しておりますので」と述べた。菅首相は1日にも「女性のきめ細かさと、あるいは日本の女性の官僚の数も少ないですし」などと語っている。不祥事の際の責任の取り方に、女性か男性かは本来、関係ないはず。この局面で、ことさらに「女性」を言及する意味とは何なのだろうか。ジェンダー論が専門の社会学者、高橋幸さんに読み解いてもらった。【待鳥航志/統合デジタル取材センター】

強調される「女性だから」

 ――山田氏の辞任までの経緯をどう見ていますか。

 ◆まず気になったのは、菅首相の「女性の広報官として期待している」という発言です。なぜ、このような場面で、山田さんの性別にわざわざ言及する必要があったのでしょうか。国家公務員倫理規定違反があったけれども、いま「女性活躍」を進めているところだからという理由で、「女性」であることが、続投させる正当な理由になる、とでも考えたのでしょうか。このような考え方は、まったくもって正当とは言えません。

 ――山田氏自身も、当初辞任を否定した際には「女性の目線、あるいは皆様の考えをよく踏まえながら自らを改善していきたい」と話しています。SNSでは「女性を代表しているような言い方をしないで」と批判の声もありました。

 ◆政治的不正が追及されているこのような場で、「女性」だから頑張ってほしいとか、「女性」として頑張りたいなどというような菅さんや山田さんの発言自体が、「女性」を都合よく使おうとする、現政権の男社会的なあり方の象徴のように思われます。

 女性管理職を増やすことは、当然ながら「女性であれば不正をしても許される」ということを意味するわけではありません。菅さんや山田さんがこのような場面で「女性」だから続投をという表現(レトリック)を使ってしまうことで、「女性なら不正をしても大目に見るべきなのか、それはおかしい」という批判を招きよせてしまいます。このような彼ら彼女らのふるまいは、ジェンダー平等への足を引っ張るものであり、悪影響が大きいと思います。

 ――「女性の目線」と言う一方で、山田氏は2020年春に行った若者向けの動画メッセージでは「飲み会も断らない。断る人は二度と誘われません」と説いています。私のように飲み会が苦手な者からすると、典型的な昔ながらの“男社会”の目線のようにも見えます。

 ◆いまの時代では…

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