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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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原発事故後に原乳出荷を再開した蛭田博章さん

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 牛の鳴き声。草を食(は)み、ふんが落ちる音。130頭いた乳牛が東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示の犠牲になった福島県楢葉町の蛭田(ひるた)牧場には今、命の「演奏」が響き渡る。経営する蛭田博章さん(52)は「牛を飼うことが人生の全て。やっぱり好きなんだ」とかみ締めた。

 2月13日、福島県沖の地震で同町は震度6弱を記録。深夜に飛ぶヘリの音で廃炉作業中の原発が気になり、家族に荷物をまとめさせた。幸い牧場は一時停電しただけだったが、「あの日」に引き戻された。

 原発事故で牧場が立ち入り禁止の警戒区域になった後も、福島県いわき市の避難先から抜け道で餌やりに通い続けた。しかし、牛は次第に息絶え、冬には被ばく調査の検体提供に同意。互いに涙を流しながら、残った10頭を安楽死させた。

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