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渡良瀬川を上流にさかのぼると、緑深い山中に突如、巨大な煙突が現れる。
通洞坑、変電所、製錬所……。栃木県日光市の旧足尾銅山一帯は、日本の近代化を支えた産業遺産が姿をとどめる。
遠い昔の光景に見えるが、いずれまた訪れる未来の映像のようにも感じる。
1880年代、銅山から鉱毒が渡良瀬川に流れ込み、下流域を汚染した足尾鉱毒事件。「公害の原点」といわれる。
強制廃村となった村もある。古里の農地を奪われた約240人が北を目指したのは1911年のことだった。そのちょうど100年後、福島第1原発事故が起きる。放射能汚染で古里を追われた人たちと重ねるのは私だけではないだろう。
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