PC買えない一家の教育は コロナ死者世界2位のブラジルの事情

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母イザベラ・ジェズスさん(右)に見守られ、自習するアリエーネさん(中央)、アリエレさん姉妹=サンパウロで2021年2月11日、山本太一撮影
母イザベラ・ジェズスさん(右)に見守られ、自習するアリエーネさん(中央)、アリエレさん姉妹=サンパウロで2021年2月11日、山本太一撮影

 南米ブラジルで新型コロナウイルスの感染拡大により、子供の学習の遅れが深刻化している。最大都市サンパウロの小中学校は約10カ月間、閉鎖状態が続き、対面での授業が中断した。いったん2月に再開した対面授業は、流行の第2波の深刻化を受け3月から再び中断し、教育現場の混乱は続いている。

 ファベーラと呼ばれる貧困街の一つ、サンパウロのパライゾポリス。2月上旬、小学2年生のアリエーネさん(7)と1年生のアリエレさん(6)姉妹が自宅で机に向かい、単語を書く練習をしていた。横で母イザベラ・ジェズスさん(26)が「そこは文字が抜けているわよ」と教えていた。コロナ禍でジェズスさんや夫が自習を手伝うのが当たり前になったが、思うように進まない。

 ジェズスさんによると、約10カ月間も学校に行けなかった姉妹の学習の遅れや心理的動揺は深刻という。せっかく覚えたアルファベットも忘れがちになり、友人たちと会えず引きこもりがちな生活にストレスをためている。休校期間中、子供たちは「学校に行きたい」とぐずって泣き出すこともあったという。

 サンパウロでは2020年3月、全約3000の小中学校(児童・生徒数約140万人)が休校し、対面授業が禁止された。オンライン授業が導入されたが、ジェズスさん宅にパソコンはなく、買う余裕もない。スマートフォンで授業を受けたこともあったが、小さな画面に慣れずに長続きしなかった。ブラジルではオンライン授業の浸透により、この姉妹のように公立校に通う貧困層と私立校の富裕層の間の教育…

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