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4都県の宣言延長へ 点検と対策の強化が必要

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた首都圏4都県の緊急事態宣言について、菅義偉首相が2週間程度延長する意向を示した。きょう正式に決定する。

 1日当たりの新規感染者数の減少ペースが鈍化しており、病床の逼迫(ひっぱく)が続いていることが理由だ。

 下げ止まりの懸念は2月中旬から指摘されていた。にもかかわらず政府は対策を見直さず、宣言の再延長に追い込まれた。

 このまま延長しただけでは、感染者数を大幅に減らすことは難しいのではないか。人と人との接触をさらに制限することが必要か、政府は方針を明確にしなければならない。これまでの対応の効果を点検して対策を強化すべきだ。

 今回の宣言下で、政府は感染リスクが高い飲食店への営業時間短縮要請を対策の柱としてきた。だが効果に限界が見え始めている。

 繁華街の人出は増加傾向にある。テレワークも昨春の宣言時ほどには広がらず、出勤時間帯の人の流れも増えてきている。

 専門家による政府の分科会は、高齢者施設での検査や、感染力が強いとされる変異株の監視の強化などを提言してきた。だが、取り組みは不十分で、徹底が必要だ。

 解除の基準をより明確にすることも欠かせない。首相は病床使用率について「50%以下になり、ベクトルが下にいくことが大事」と述べたが、これではあいまいだ。

 新規感染者数は、政府が目安とする「ステージ3(感染急増)」を既に下回っている。だが、再拡大を懸念する声は根強い。

 これからワクチン接種が本格化するが、患者が増えれば医療機関は十分な人手を割けなくなる。感染者数をさらに抑えておく必要がある。

 3月下旬の宣言解除となれば花見や年度末の歓送迎会の時期に重なる。専門家の中には1カ月程度の延長を求める声もある。首相は2週間程度とする判断の根拠を示すべきだ。

 感染対策では国民や事業者の協力を得ることが欠かせない。そのためには先の見通しを示し、実効性ある対策を進めていくことが重要だ。

 「第3波」を収束に向かわせることができるかどうか、感染対策の正念場だ。

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