尖閣上陸阻止に政府言及「危害射撃」 海警法対抗も課題多く

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尖閣諸島・魚釣島周辺で警戒する海上保安庁の巡視船「でわ」=2012年11月15日、本社機「希望」から
尖閣諸島・魚釣島周辺で警戒する海上保安庁の巡視船「でわ」=2012年11月15日、本社機「希望」から

 沖縄県・尖閣諸島周辺で、中国海警局の船舶が接続水域での航行や領海侵入を繰り返している。危機感を強める日本政府は2月下旬、外国政府の船が領海に侵入し、尖閣諸島に接近して乗員を上陸させようとした場合、海上保安庁職員が「凶悪犯罪」と認定し、正当防衛や緊急避難以外でも相手に危害を加える「危害射撃」ができる場合があるとの見解を初めて示した。危害射撃に関する政府・与党の考え方と課題を探った。

「凶悪犯罪」の既遂犯が対象

 「今回、危害射撃まで可能とされたのは成果だ」。2月25日に開かれた自民党の会合で政府から危害射撃に関する説明を受けた小野寺五典元防衛相は、終了後の記者会見でこう強調した。非公開の会合で政府の担当者は、尖閣への上陸を止める手段として、船には銃口を向けずに引き金を引く「警告射撃」と、乗員に危害が生じないよう注意しながら船体を狙う「船体射撃」に加え、相手に死傷者が出ることも想定して銃撃する「危害射撃」も可能だと明言。出席した議員からは「限られた時間でここまで整理したことを高く評価したい」などの声が相次いだという。

 危害射撃は主権侵害を許さないという日本の強い意思を示せる一方、外国政府の船への「先制攻撃」と受け取られて国際問題に発展しかねない。それでも危害射撃が可能だという政府の見解を支えているのが、海上保安官による武器使用の基準となっている警察官職務執行法の規定だ。

 同法7条は①自らを守るための「正当防衛」②危難を避けるための「緊急避難」③死刑か無期、もしくは3年以上の懲役・禁錮に当たる「凶悪な罪」を犯した者を逮捕する――といったケースで相手に危…

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