香港の選挙制度、根本から改変へ 普通選挙の道閉ざす 中国全人代

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街頭の大型モニターに映し出された全人代で政府活動報告をする李克強首相=香港で5日、ロイター
街頭の大型モニターに映し出された全人代で政府活動報告をする李克強首相=香港で5日、ロイター

 5日に開会した中国の全国人民代表大会(全人代=国会)で、香港の選挙制度が見直されることになった。今後、中国共産党に反対する民主派の政治家は、立候補できなくなる。1997年の香港返還以来、民主派の運動の核心だった「普通選挙」の導入は、その道を完全に閉ざされた。

 香港政府トップの行政長官と立法会(議会)の選挙は、以前から親中派に極めて有利な仕組みだ。行政長官選は、親中派が多数を占める選挙委員会(定数1200)委員にだけ投票権がある。立法会選も議席の半分は直接投票だが、残りは親中派が多い業界団体の関係者らに投票権がある。97年以降、歴代行政長官は親中派で、立法会も親中派が過半数を維持してきた。

 両選挙に普通選挙を導入すると定めた香港基本法の条項は、民主派にとって大きな希望だった。2014年の民主化要求デモ「雨傘運動」や、19年に大規模化した政府への抗議デモも、根底には普通選挙の実現を求める強い思いがあった。

 民主派は立法会で少数派ながら、国家安全条例案や愛国教育導入に関する法案など、数々の法案を撤回に追い込んだ実績がある。だが、中国側はこうした現状を苦々しく思ってきた。

 12年に発足した習近平指導部は、香港当局による民主派の締め付けを強化。香港政府は既存の法律を適用し、急進派の出馬を禁じた。20年6月の香港国家安全維持法(国安法)施行後は、穏健な民主派の一部からも立候補資格を奪った。反発した民主派は集団辞任し、立法会は既に親中派の独壇場となっている。

 それでも習指導部が選挙制度の見直しに乗り出したのは…

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