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時の在りか

「靖国」など日本の戦後をテーマに取材を続けている伊藤智永編集委員が、政治を「座標軸」に鋭く論じます。

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プラダを着た悪魔の教え=伊藤智永

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イタリアの高級ブランド「プラダ」の東京・青山店=2003年6月
イタリアの高級ブランド「プラダ」の東京・青山店=2003年6月

 ニューヨークを舞台に、有力ファッション誌の辣腕(らつわん)女性編集長からしごかれ、新人女性秘書が悪戦苦闘するコメディー映画「プラダを着た悪魔」(2006年)は、女性を中心に今も根強い人気らしい。他人の好みに口出しする気はないが、内容に少なくとも「政治的正しさ」から逸脱している点が多く目に付くことは指摘しても構わないだろう。

 編集長の公私混同とパワハラは、今の感覚では正視するに堪えない。いくらファッション業界とはいえ、容姿をからかい、セクハラ、サービス残業が当たり前のブラック職場にもあぜんとする。その後、現実にプラダ日本法人で女性差別事件も起きたからなおさらだ。秘書がボスの無理難題に応え、業界のイケメン実力者と肉体関係を持って使命を果たす筋立てを、不快に感じる女性だって少なくないに違いない。

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