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『調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝』=トミヤマユキコ

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『調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝』
『調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝』

 『調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝』(下井草秀構成・リトルモア・3080円)は、音楽家・近田春夫の人生70年と音楽生活50年を振り返る自伝である。変幻自在、めくるめく人生の記録は、さながら紙上に立ち上げられたパーティー会場だ。

 東京・等々力に建てられたモダンな一軒家で育った彼は、幼くしてIQ169を叩(たた)き出し、慶応幼稚舎を受験。準備ゼロな上に他の受験生と喧嘩(けんか)したにもかかわらず、見事合格を果たす。しかし、入学後はぜんぜん勉強せず美術や音楽にのめり込んでいった。高校2年生を2回やり、大学の文学部に入ったのは、入学する前から卒業できっこないだろうと踏んでいて、「もしもそうなるとしたら、『文学部中退』の方が、哲学的な懊悩(おうのう)を想像させるから字面がい…

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