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五郎丸歩、スターの重圧 引退への道筋と日本ラグビーの分岐点

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【ヤマハ発動機-NEC】後半、トライ後のゴールを狙うヤマハ発動機・五郎丸=秩父宮
【ヤマハ発動機-NEC】後半、トライ後のゴールを狙うヤマハ発動機・五郎丸=秩父宮

 まだまだやれるのではないか。今季限りで引退するラグビー元日本代表フルバック(FB)の五郎丸歩(35)のプレーを目にすると、そんな思いに駆られてしまう。往時ほどのスピードはなくとも、強いキックと的確な状況判断に陰りは見えない。

 五郎丸は6日のラグビー・トップリーグ(TL)で、ヤマハ発動機のFBとしてNEC戦に今季初出場。前半33分、相手の不用意なパスを左サイドで拾って約30メートル独走。左隅に飛び込んでトライにした。ゴールキックも次々に決め、計15得点を挙げて59―31での大勝に導き、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。なぜ、今季限りで引退するのだろうか。

 五郎丸は「35年間全力で走ってきた。残りワンシーズンを戦う気力、体力しか残っていない。全力で戦い抜きたい」と、すがすがしく去る決意だ。引退への道筋を振り返ると、二つの決断が日本ラグビーの分岐点に重なっている。

 五郎丸は自国開催の2019年ワールドカップ(W杯)日本大会への意欲を積極的に示すことなく、日本が優勝候補の南アフリカを破った15年W杯イングランド大会を最後に代表を去った。

 15年W杯で、五郎丸は正確なプレースキックと「五郎丸ポーズ」を含むルーティンで時の人になったが、16年にニュージーランド(NZ)出身のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)が就任すると、日本はキック…

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