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東日本大震災10年に思う ずれた課題認識と現実=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員

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藻谷浩介氏=玉城達郎撮影
藻谷浩介氏=玉城達郎撮影

 東日本大震災から10年がたつ。マグニチュード9・0と、観測史上最大級だったこの地震が突きつけた課題に、日本に住む我々はどこまで対応できてきただろうか。この10年間を思い起こしながら自問自答すると、「課題の認識、目標の設定の両方が、そもそも震災の突きつけた現実からずれていた」ケースが多いことに気がついた。

 例えば政治。震災を契機に多くの国民が「日本の課題は、首相が毎年交代するような政治の不安定だ」と感じ、「安定政権ができれば、日本の問題は解決に向かっていく」と考えたように思う。だが、そこにはチェックとバランスという発想が欠けていた。結果として、安倍晋三前首相とそのチームに日本はあまりに長く一任を与えすぎた。

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