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世論は風だ。でも世論とは何だ――。永田町を知り尽くす山田孝男特別編集委員の政治コラム。

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廃炉 この道でいいか=山田孝男

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絵・五十嵐晃
絵・五十嵐晃

 原発事故10年。遅くとも2051年に廃炉完了――が建前だが、溶け落ちた核燃料を取り出せず、工程表は5回書き直され、作業は遅れている――。

 それが東京電力福島第1原発の現状――と気づくのも、10年の節目でメディアが取り上げるから。福島から遠ざかるほど、ふだんは誰も意識しない。

 小出裕章・元京大原子炉実験所助教の「原発事故は終わっていない」(毎日新聞出版、2月新刊)は日本人の錯覚を問う。

     ◇

 小出は脱原発の<アイコン>である。安保法制反対の旗幟(きし)鮮明で容赦なく政府を批判する原子核工学の専門家であり、カネも出世も顧みぬ生き方を貫き、カリスマになった。15年、京大を定年退官して長野県松本市に移住。71歳。

 原発が専門の小出が「廃炉計画は幻想」だと断言する。本当だろ…

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