特集

Listening

話題のニュースを取り上げた寄稿やインタビュー記事、社説をもとに、読者のみなさんの意見・考えをお寄せください。

特集一覧

社説

国際女性デーと日本 「おじさん政治」と決別を

 きょうは国連が定める「国際女性デー」だ。1904年のこの日、米国の女性たちが参政権を求めてデモをしたことを起源とする。女性差別のない社会に向けて行動することを呼びかけている。

 だが、その理念と大きくかけ離れた現状が日本にはある。

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長による女性蔑視発言は、日本社会の旧弊をあぶり出した。古い考え方のリーダーが、均質な組織を率いる。そこでは挑戦より現状維持が優先され、少数意見は無視されるか排除される。

 森氏の辞任表明後には、自民党の二階俊博幹事長が、男性の多い幹部会議に女性議員を参加させると表明したが、発言権のない「オブザーバー」扱いだったことが批判された。多様な意見を党の運営に生かす視点があれば、このような対応にはならない。

 日本は意思決定の場に女性が少ない。「指導的地位に占める女性の割合を30%に」との目標は2020年までに達成されなかった。

 国会議員の女性比率は衆院9・9%、参院22・6%だ。列国議会同盟によると1月時点で世界190カ国中166位と低い。国民の半数は女性なのに不均衡が際立つ。「おじさん政治」「女性のいない民主主義」と言われる。

 議員候補者の男女均等を目指す法律が18年にできたが、実効性に欠ける。

 議員や候補者の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」を、既に118カ国・地域が採用している。日本も導入すべきだ。

 クオータ制には「女性優遇だ」との批判がつきまとう。だが、そもそも男性を優遇してきた現状を正すための手段である。

 台湾では、女性枠で当選した議員の活動に刺激され、枠外で出馬する女性が増えるという好循環が生まれた。

 政治の場に女性が増えることは、議論の多様性が増すことにつながる。これまで見落とされたり、後回しにされたりしがちだったさまざまな問題に、光が当たることが期待される。

 民主主義の基本的な理念を、率先して実現するのが政治の責務だ。現状を変えるには、まず政治家の意識を変える必要がある。

コメント

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

あわせて読みたい

注目の特集