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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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なぜ息子は津波に…父、出会い重ねて「命のバトン」届ける道に

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「健太いのちの教室」の設立記念シンポジウムで、オンライン上でつながるパネリストと語り合う田村孝行さん(右)と妻弘美さん=宮城県女川町のまちなか交流館で2021年3月6日午後3時54分、百武信幸撮影
「健太いのちの教室」の設立記念シンポジウムで、オンライン上でつながるパネリストと語り合う田村孝行さん(右)と妻弘美さん=宮城県女川町のまちなか交流館で2021年3月6日午後3時54分、百武信幸撮影

 東日本大震災は、ある人の人生の歩みを突然止め、またある人の生きる道を変えた――。

 10年前、津波は宮城県の七十七銀行女川支店の行員だった田村健太さん(当時25歳)の未来を奪ったが、父孝行さん(60)と母弘美さん(58)は涙をぬぐったその手で、勤務中に命を落とした長男の無念を、未来の命を守るために使う「命のバトン」として受け取った。

 孝行さんは40年勤めた会社を辞め、自ら設立した一般社団法人「健太いのちの教室」の活動を始めた。従業員の命を守る企業防災の大切さを訴え、自分たちが支えられたように災害や事故の遺族とつながり、支えたい。子どもたちにも命の尊さを伝えることができたら。「人生の残された時間を、健太の命を生かすために使う」。バトンを1人でも多く届ける道を選んだ。

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