記者も同感 選択的夫婦別姓に賛成する夫たち 妻の姓選び「勘当」も

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参院予算委員会で選択的夫婦別姓制度を巡る社民党の福島瑞穂党首の質問を聞く丸川珠代五輪担当相(中央左)=国会内で2021年3月3日午後1時46分、竹内幹撮影
参院予算委員会で選択的夫婦別姓制度を巡る社民党の福島瑞穂党首の質問を聞く丸川珠代五輪担当相(中央左)=国会内で2021年3月3日午後1時46分、竹内幹撮影

 結婚後に夫婦が同じ姓とするか、それぞれの姓を名乗るかを選べる選択的夫婦別姓制度の導入を巡る議論が進んでいない。私自身、夫婦別姓を選ぶために妻と婚姻届を出さず、事実婚を続けている。「名乗りたい姓を名乗れる権利を認めてほしい」。当事者としての率直な思いだが、現状はそれすら認められない。私と同じく夫婦別姓に賛成する男性たちの思いを聞き、自らを振り返ってみた。【政治部・畠山嵩】

教員の場合…「仮の名を呼ばれる」感覚

 現在、清泉女子大(東京都)でスペイン語を教える木村琢也さん(59)は1991年、妻の姓で婚姻届を出すと伝えるため、実家を一人で訪れた。「妻が自分の姓で婚姻届を出すことを希望してる」。通された居間で話を切り出すと、母親は困惑し、怒りをあらわにした。

 婚姻届を出した後、父親からは電話で「二度と俺の前に顔を見せるな」と言われた。「勘当」を言い渡され、遺産相続も放棄した。「こういうことがテレビドラマじゃなくて本当にあるんだと思った」。人生ががらりと変わった瞬間だった。

 当時は、ほとんどの女性が夫の姓に変えていたが、妻は「そういう狂った状況に抵抗する」と話し、姓を変えるつもりはなかった。木村さん自身も女性が改姓を強いられることに違和感を覚えていた。事実婚の選択肢もあったが「早く落ち着きたかったし、妻を変えさせるのも無理そうだった」ので、自分が姓を変えることにした。

 改姓で最も危惧したのは、仕事で旧姓が使えるかどうかだった。婚姻届を出したころ…

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