連載

ひと人

大阪府で活躍する人を紹介します

連載一覧

ひと人

現場の声「紙」で届ける 泣いている人の横に 「新聞うずみ火」代表 矢野宏さん(61)=兵庫県尼崎市 /大阪

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
「むのたけじさんや黒田清さんの精神を受け継いだ」と評価され、むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞を受けた「新聞うずみ火」代表の矢野宏さん=大阪市北区芝田2で、亀田早苗撮影
「むのたけじさんや黒田清さんの精神を受け継いだ」と評価され、むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞を受けた「新聞うずみ火」代表の矢野宏さん=大阪市北区芝田2で、亀田早苗撮影

 2005年10月に創刊したミニコミ紙「新聞うずみ火」が「第3回むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」で大賞を受賞した。

 むのたけじさんは2016年に101歳で亡くなるまで文筆や講演で反戦を訴えた。

 新聞うずみ火はB5判32ページの月刊紙。選考理由で、地域密着性と政治的全国性を持ち、矢野さんと同僚・栗原佳子記者の取材能力が高いと評価された。「読者に支えられた15年。むのさんは週刊新聞を30年出し続けたから、まだまだ頑張れという激励の賞」と穏やかな笑顔で語る。

 1982年4月、愛媛県の地元紙「日刊新愛媛」に入社。南宇和支局勤務時、忘れられない出来事があった。幼稚園児が死亡した交通事故。顔写真提供を頼みに自宅を訪ねた。家の外からも女性の泣き声が聞こえた。母子家庭だった。用件を告げ終わる前に親族から罵声を浴びた。「それでも人間か」。「人1人が亡くなればこんなに悲しむ人たちがいる」。それが分かる現場に行ってよかったと後に思え、原点になった。

この記事は有料記事です。

残り904文字(全文1326文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集