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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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次世代の原発までの「時間稼ぎ」 政府がいばらの道を歩む理由

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プルサーマル発電をする四国電力伊方原発3号機=愛媛県伊方町で2020年1月13日、本社ヘリから大西達也撮影
プルサーマル発電をする四国電力伊方原発3号機=愛媛県伊方町で2020年1月13日、本社ヘリから大西達也撮影

 東京電力福島第1原発事故からの10年で、廃炉が決まったり再稼働が進まなかったりと原発を巡る状況は大きく変わった。それでも、1950年代から続く核燃料をリサイクルする国の政策は、維持されたままだ。60年以上前の政策を維持するために、さらに「次世代の原発」と呼ばれている高速炉の開発までの時間稼ぎをしようとする国や電力業界の姿が垣間見える。【荒木涼子、塚本恒/科学環境部】

「うまくいけば大丈夫」

 2020年12月、東京・霞が関の経済産業省に、大手電力でつくる電気事業連合会の池辺和弘会長が訪れた。梶山弘志経産相に核燃料をリサイクルする「プルサーマル発電」の今後の方針を示した文書を手渡すためだ。「大臣からご理解をいただき(この方針を)進めていく思いを強くしました」。梶山経産相との会談後、報道陣に囲まれた池辺会長は満足げにそう語った。

 原発で使い終わった核燃料からは、化学薬品などを使った特殊な処理により、プルトニウムを取り出すことができる。それを加工すると「MOX(モックス)燃料」と呼ばれる核燃料ができ、既存の原発で使えば核燃料のリサイクル(プルサーマル発電)になる。電事連はこれまで原発16~18基での導入を目指していたが、新たな方針では「30年度までに少なくとも12基」と事実上の下方修正をした。

 福島第1原発事故に伴い国の規制基準が強化され、原発の再稼働は進んでいない。それでも、経産省にはどうしても12基でプルサーマル発電をしてもらわなければならない事情があった。…

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