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みずほ銀行の現金自動受払機(ATM)などで2月28日に起きた大規模システム障害は、過去2回の障害を教訓にシステムを刷新した同行の信頼を揺るがしている。これまでの説明でシステムを動かす人間の判断に起因していたと分かってきたが、まだ不可解な「二つの謎」が残っている。
「システム運用面におけるみずほ固有の問題がないか、もう一度点検する必要があると痛感している」。障害から復旧した3月1日に開いた記者会見で、みずほ銀行の藤原弘治頭取はじくじたる思いを口にした。
今回の障害では、全国の同行ATMの約8割に当たる最大4318台が正常に稼働せず、キャッシュカードや通帳がATMに取り込まれた件数は5244件に及んだ。みずほ銀行は直接的な原因として、1年以上記帳がない約45万件の定期預金のデータを移行する作業と、定期預金の月末作業約25万件が重なったため処理能力を超えたと説明している。月末作業とは普通口座から定期口座への自動入金のような取引だ。
そこで浮かび上がる一つ目の謎は、あえて処理が集中する月末の日にデータ移行を実施すると決めたことだ。システムに関わる大規模な作業はこうした日を避けるのが銀行界の常識であり、別の大手行の幹部は「通常、月末の週末には絶対に行わない作業のはずだが」と首をかしげる。
この謎を解く鍵かもしれないのが、…
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