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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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家族逃した「おやじみたいに格好よく」 そば店3代目の10年

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 東日本大震災で被災した人たちを毎日新聞の記者は継続して取材し、「いま」を伝えてきた。紹介する一家は2011年春に初めて記事にし、今回で18年春に続いて9回目になる。震災10年を前に思いを聞いた。

   ◇

大鍋を運ぶおかみとの出会いから10年間取材

 岩手県陸前高田市のそば店「やぶ屋」は東日本大震災の津波で流され、2代目店主の及川信雄さん(当時70歳)も亡くなった。仕事に身が入らなかった長男の雄一さんだったが、3代目としての自覚を深め、母従子(よりこ)さん(78)らと震災翌年にはプレハブ店舗で再開。17年10月には、震災前に店があった中心市街地に新しい店を構えた。

 取材は大震災翌月に始まった。記者がたまたま訪ねた市内の避難所で、炊き出しの大鍋を運んでいたおかみの従子さんに声をかけたのがきっかけだった。「店は流されました。夫は亡くなりました」と涙を流しながらも、「息子とは『また店をやりたいね』と話しています」と笑みものぞいた。市街地が壊滅し、数え切れないほどの犠牲者が出る中でも、希望を見いだそうとする人々の姿に、記者自身が救われる思いになった。

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