さい銭へのキャッシュレス決済導入 外国人客減でも相次ぐワケ

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クレジットカードでさい銭を納められる「ウェブさい銭箱」の横で導入理由を説明する成田山久留米分院の岩元照学副住職。日本語、英語、中国語で対応する=福岡県久留米市で2021年2月8日午後1時38分、飯田憲撮影
クレジットカードでさい銭を納められる「ウェブさい銭箱」の横で導入理由を説明する成田山久留米分院の岩元照学副住職。日本語、英語、中国語で対応する=福岡県久留米市で2021年2月8日午後1時38分、飯田憲撮影

 キャッシュレス決済を導入し、クレジットカードや電子マネーでさい銭を納められるようにする神社や寺が増えつつある。中国では寺院でもキャッシュレス化が進んでおり、元々は訪日外国人向けのサービスとして始まった。新型コロナウイルスの感染拡大で外国人観光客は激減したのに、導入が進むのはなぜなのか。取材をしてみると、外国人対応とは別の事情も見えてきた。

 福岡県久留米市の成田山久留米分院は2020年12月、日本語のほか、英語と中国語に対応したタブレット型の「ウェブさい銭箱」を本堂に設置し、クレジットカードでさい銭を納められるようにした。同時に公式ウェブサイトもリニューアル。直接参拝に行かなくてもウェブ上でお守りや絵馬、縁起物などを購入したり、さい銭を納めたりできるようになった。

 岩元照学副住職は「訪日外国人客の参拝が増えて、さい銭箱に投じられた外国の紙幣や硬貨の仕分けが大変になっていた」と「ウェブさい銭箱」の導入を決めた理由を説明。新型コロナの感染拡大で現在、外国人の姿はほとんどなくなり、今年の初詣客は日本人も減ったが、サイトのリニューアルにより「参拝に来られなかった人からも好評だった」と語る。

 久留米分院の決済システムを開発したIT企業、ビジネスラリアート(京都市)の担当者は「元々は日本人に比べて現金での支払いをすることが少ない訪日外国人向けに開発した」と説明。京都市の東本願寺なども導入しており、全国の神社や寺から問い合わせが相次いでいると強調する。公益社団法人日中友好協会によると、中国の都市部では寺院でもキャッシュレス化が進み、参拝客はさい銭についても現金にこだわっていないという。

 日本の神社や寺もキャッシュレス化を検討せざるを得ない背景に…

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