教員によるわいせつ行為 なぜ発覚しにくいのか

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通っていた中学校の卒業アルバムをみる石田郁子さん。長年めくることすらできなかったという=東京都内で2020年1月22日午後3時8分、坂根真理撮影
通っていた中学校の卒業アルバムをみる石田郁子さん。長年めくることすらできなかったという=東京都内で2020年1月22日午後3時8分、坂根真理撮影

 教員による児童・生徒へのわいせつ行為が後を絶たないが、発覚するのは氷山の一角で被害者が気付かないケースも少なくない。札幌市で今年1月、28年前のわいせつ行為を理由に中学教員が懲戒免職された。なぜこれほど時間がかかったのか。市教委と教員を相手に裁判で被害を訴えた写真家の石田郁子さん(43)=東京都=の経験と、石田さんが性被害者に実施したアンケートからは、教員と教え子という特殊な関係ゆえの壁が浮かび上がる。【ガン・クリスティーナ、坂根真理、源馬のぞみ】

教員相手に逃げる発想も浮かばず

 石田さんによると、始まりは1993年3月、中学3年の卒業式の前日のことだった。

 「道立近代美術館の招待券を持っているから一緒に行こう」。中学校の教室で、美術の男性教員から誘われた。13歳年上。美術科のある私立高校への受験を視野に入れ、中3になってから絵の指導を受けていた。絵を頑張っているから連れて行ってくれるのかな。見込みがあるからかな。二つ返事で快諾した。

 春休み、教員の車で美術館に行き、帰りに教員の家に連れて行かれた。突然床に押し倒され、「実は好きだった」と言われた。キスをされ、体を触られた。頭が空っぽになった。尊敬している。悪い人ではない。その人が「好き」というポジティブな言葉を使っている。疑うことも逃げるという発想もわいてこなかった。

 「家という、とりでにいたので従うしかなかった。大人になって分かったのは、実はものすごい恐怖を感じていたということです」と石田さんは振り返る。

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