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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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津波にのまれた大切な人、今も呼び続け 3.11、10年の鎮魂

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妻友子さんが行方不明となった自宅周辺を見つめる荻原哲郎さん。捜索がかなわぬまま、石巻南浜津波復興祈念公園が完成を迎えようとしている=宮城県石巻市で2021年3月11日午前10時5分、佐々木順一撮影
妻友子さんが行方不明となった自宅周辺を見つめる荻原哲郎さん。捜索がかなわぬまま、石巻南浜津波復興祈念公園が完成を迎えようとしている=宮城県石巻市で2021年3月11日午前10時5分、佐々木順一撮影

 東日本大震災の発生から11日で10年がたった。歳月を重ねても、かけがえのない家族や友人を失った悲しみは消えることはない。あれから10回目の「3・11」を被災者たちはどんな気持ちで迎えたのか。鎮魂の祈りに包まれる東北で、3人と行動を共にした。

妻を捜す日々、周囲の景色だけが変わった

 「おっかぁー」。11日午前9時半ごろ、宮城県石巻市南浜町の一角で荻原哲郎さん(82)の声が響いた。南浜町の自宅で津波に襲われて今も行方不明の妻友子さん(当時73歳)を捜そうと、呼んでみる。震災発生の年から始めた11日の習慣だ。この10年、周囲の景色だけが変わった。

 あの日、荻原さんは市内の病院にいた。自宅の友子さんに電話をかけても連絡がつかない。3日後、海から約500メートルの自宅にたどり着くと、土台とがれきだけになっていた。約1カ月間、付近や遺体安置所を捜し回ったものの、見つからなかった。

 後日、近所の女性が地震後の友子さんの様子を教えてくれた。家の2階にいる友子さんに声をかけると、こう返事したという。…

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【東日本大震災】

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