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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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地震予測の舞台裏

なぜ消えた 首都圏「最大クラス震災」の被害想定 /5

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関東大震災で外壁だけが残った日本橋三越
関東大震災で外壁だけが残った日本橋三越

 東日本大震災を教訓に、「最大クラス」の被害想定が政府によって公表されることになったが、南海トラフ地震で予想した巨大な津波は沿岸自治体の反発や誤解を招いた。その直後に検討された首都圏を襲う地震の想定では、ある意味でその「揺り戻し」が起こっていた。さらに千島海溝・日本海溝の被害想定では、南海トラフの想定公表時と似た混乱が再び起こってしまう。

「今回は冷静に」頻度の高いM7級を中心に検討

 内閣府防災担当が南海トラフの次にとりかかった被害想定は、首都圏を襲う地震だった。関東に大きな被害をもたらす地震は、直下型でマグニチュード(M)7級の「首都直下地震」の他に、海洋プレートが大陸プレートに沈み込む境界で起こるM8級の「相模トラフ地震」がある。相模トラフは相模湾から房総半島南東沖にかけて延びる溝状の海底地形だ。

 首都直下地震は人口密集地の真下で発生するため、建物の倒壊や火災などの被害が予想される。相模トラフ地震のエネルギーはその30倍ほども大きく、津波も伴う。震源が陸域に近いとより被害は甚大になり、1923年に発生し10万人以上が死亡した関東大震災もこの地震だった。

 中央防災会議に設置された専門調査会の報告(2011年9月)は、相模トラフ沿いの地震について「現行の首都直下地震の想定対象とされていない相模トラフ沿いの規模の大きな地震、いわゆる関東大震災クラスの地震についても、想定地震として検討を行うべき」だと明記していた。

 しかし、…

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