連載

金言

欧州総局長、外信部長などを歴任した小倉孝保論説委員のコラム。

連載一覧

金言

蝶と機関車=小倉孝保

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 <kin-gon>

 ボクシングのムハマド・アリがプロとして初敗北を喫した相手は、ジョー・フレージャーだ。ベトナム戦争で兵役を拒否してライセンスを奪われたアリは、王者復帰を目指すも敗れた。1971年3月8日のニューヨークである。

 2人は共に、人種差別下の米国に生まれた黒人だ。貧困から抜け出すためボクシングを始め、五輪ではアリがローマ大会(60年)、フレージャーが東京大会(64年)で金メダルを取っている。

 「蝶(ちょう)のように舞い、蜂のように刺す」と形容されたアリに対し、突進型のフレージャーは機関車に例えられ、「スモーキン・ジョー」と呼ばれた。ファイトスタイル同様、両者は人種差別への姿勢も異にしていた。

この記事は有料記事です。

残り685文字(全文990文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集