終電去り、作業員が一斉に線路へ 夜のホームで建設進む新駅舎
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最終電車が出発し、静まりかえった駅のホーム。しばらくすると、続々と作業着姿の人たちが姿を現す。線路をチェックしたり、駅でホームドアを設置したり……。こうした鉄道設備のメンテナンスや工事は、電車が走っていない夜間に行われている。近年、その業務量が増える一方、作業員の人手不足が懸念されているという。どんな現場なのか。記者が作業に同行した。
7年かけて新駅舎
6日未明、JR中野駅(東京都中野区)。新型コロナウイルス対策でマスクを着け、ヘルメットをかぶった作業員約60人が集まっていた。夕方から断続的に降っていた雨はやんだものの、電光掲示板に表示される気温は「10度」と肌寒い。中高年が中心の作業員は黙々と準備に取りかかっていた。
午前0時57分。駅周辺の信号が赤色に変わる。終電が終わり、列車が進入しなくなる「線路閉鎖」の状態になった。沿線で待機していた作業員らは、一斉に「右よし、左よし、軌道内立ち入りよし」と指さし確認をし、線路に足を踏み入れる。緊張感を保つため、みんなで声を出すのが基本だ。
中野駅では2020年から、新駅舎の建設工事が行われている。…
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