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今を生きる宮本常一/上 慈しみと希望に満ちた言葉=宮本常一記念館学芸員・高木泰伸

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宮本常一=宮本常一記念館提供
宮本常一=宮本常一記念館提供

「人の見のこしたものを見るようにせよ。その中にいつも大事なものがあるはずだ。あせることはない。自分のえらんだ道をしっかり歩いていくことだ」

 民俗学者の宮本常一は、15歳で故郷の山口県・周防大島を離れて大阪へと向かう。旅立ちにあたって、父親が手向けた人生訓を宮本は自叙伝『民俗学の旅』の中で10カ条にまとめて紹介している。その10条目の一文だ。

 誰かの言葉が、誰かの人生を支えることがある。熊本の片田舎から広島へ出てきて過ごした学生時代、私はどれほど宮本の言葉に励まされたことだろう。研究がうまくいかない時、就職で悩んだ時、そして今仕事に行き詰まった時、「あせることはない」という言葉と彼の生き様が私の支えになっている。

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