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湯川豊・評 『「共食」の社会史』=原田信男・著

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『「共食」の社会史』
『「共食」の社会史』

 (藤原書店・3960円)

神と一体化し、人の絆を強める

 「共食(きょうしょく)」(トモグイにあらず)は、原始の昔から始まっていて、原始の文化が少し闌(た)けてくると、「神人共食」という宗教的儀礼になった。それゆえ、原田信男氏の探究は、「神人共食」の意味を明らかにすることから出発し、その意味追究がみごとに広げられ深められてゆく。

 神事において、神饌(しんせん)が神に捧(ささ)げられ、それに直会(なおらい)が続くのは、現在でも行われている姿である。この直会によって実は神人共食が完成するのだ、と原田氏は最初に強調している。ナオラヒは、おそらく「ナムリアイ」すなわち相互に嘗(な)め(食べ)合うことを語源にしている。神に神饌を捧げ、それを下げて人が食べることで、神と人が一体化し、人の集団も、神のもとで内部の絆を強める。そういう働…

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