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ベトナム、必死の抑制策 封じ込め、経済成長も…「敵を倒す」

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バイクを運転する人たち。もともと大気汚染対策でマスクを着ける習慣があったという=ベトナムのホーチミン市で2021年3月13日(森宏太郎さん提供)
バイクを運転する人たち。もともと大気汚染対策でマスクを着ける習慣があったという=ベトナムのホーチミン市で2021年3月13日(森宏太郎さん提供)

 感染者を出した住居は建物ごと封鎖してしまう――。新型コロナウイルスの世界的な大流行(パンデミック)が宣言されてから1年が過ぎたが、ベトナムは抑え込みに成功し、経済成長も維持している。徹底した拡大防止策を取る背景には何があるのか。

対策徹底「一つの戦いに勝っただけ」

 「新型コロナは戦うべき敵だ」。2020年1月27日、テトと呼ばれる旧正月の連休のさなか、首都ハノイで開かれた緊急会議。グエン・スアン・フック首相は、集まった閣僚らを前に、全国規模での対応を指示した。

 動きは早く、政府は連休明けから次々と対策を実行した。2月5日に周辺国に先駆け、過去14日間に中国に滞在歴がある外国人の入国を禁止し、3月22日に外国人全般の入国を禁じた。4月1日からは不要不急の外出禁止措置を約3週間続けた。

 外出禁止措置の緩和後も警戒を解かず、新型コロナの対策委員会トップのブー・ドク・ダム副首相は会議で「我々は戦争で一つの戦いに勝っただけだ」と引き締めを図る。7月末まで死者を一人も出さないなど、政府は手綱を緩めなかった。

 21年に入ると英国由来の変異株の集団感染などがあり、初めて1日当たりの感染者が100人を超えた日もあったが、3桁を記録したのは1日のみ。米ジョンズ・ホプキンズ大によると、3月26日現在、累計の感染者は2579人、死者は35人。「感染を抑え込んだ」と評される島国のニュージーランドを少し上回る程度だ。

 感染防止策は徹底しており、背景…

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