名古屋入管でスリランカ人女性死亡 「死んでしまう」訴え届かず
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「ここから連れ出してほしい」。それが、30代のスリランカ人女性から、支援者が聞いた最後の言葉だった。名古屋出入国在留管理局(名古屋市港区)に収容されていた女性は、支援者が面会した3日後の3月6日、居室内で脈がない状態で見つかり、緊急搬送先の病院で死亡が確認された。支援者らは「最後の面会時、体調が極端に悪化した様子だった。死んでしまうから入院させてと入管に訴えたのに」と批判。上川陽子法相は、事実関係の速やかな調査と結果の公表を表明している。【和田浩明/統合デジタル取材センター】
「日本で英語教える」夢持ち来日
スリランカ人女性とは、支援団体START(外国人労働者・難民と共に歩む会)顧問の松井保憲さん(66)らが2020年12月から毎週のように面会や聞き取りを続けていた。松井さんによると、女性はスリランカで大学卒業後に英語を教えていたが、「日本の子どもたちに英語を教えたい」と考え、17年6月に来日。千葉県の日本語学校で学んでいたが、実家からの仕送りが途絶えて通学できなくなり在留資格も失った。
静岡県で暮らしていた20年8月に入管当局に不法滞在で拘束され名古屋入管に収容。他の収容者から女性の存在を聞いた松井さんらが面会を始めた。
女性は日本で英語を教える夢を元気な様子で語る一方、「日本には頼れる人もおらず、お金もない。母国の親とも連絡が取れなくなっている」と語っていたという。帰国に合意する文書にも署名していたが、STARTが支援すると伝えると、日本に残る決心をした。入管職員からは「帰れ、帰れ」と言われたと語っていた。
松井さんによると、女性は1月下旬ごろから…
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