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接待問題で2社長招致 疑惑は解消されていない

 総務省幹部に対する接待問題で、NTTの澤田純社長と放送事業会社「東北新社」の中島信也社長に対する参考人質疑が参院予算委員会で行われた。

 両社長は陳謝したが、疑惑の解明は進まなかった。

 中島氏の説明によると、東北新社は放送法が20%未満と定めている外資規制を上回ったまま、2016年に衛星放送事業の認定を申請した。翌年に気づいて総務省の担当課長に報告したという。

 事実とすれば、違反が見逃されていたことになる。だが、担当課長は報告を受けた覚えはないと主張しているという。

 この時期は、総務省幹部らが同社に勤める菅義偉首相の長男らから接待を受けていた。見返りとして違反を見逃したのではないかというのが疑惑のポイントだ。

 省庁幹部は事業者との面会記録を作成しているはずだ。不正を否定するのなら、記録を開示して自ら疑惑の払拭(ふっしょく)に努めるべきだ。

 NTTによる接待問題では、新たに総務省の当時の幹部2人が澤田氏の接待を受けていたことが明らかになった。

 澤田氏は3回の会食を認めたが、業務上の要請や便宜に関する話はしていないと説明した。携帯電話料金引き下げと接待の時期が重なることについては、関係を否定した。NTTドコモの完全子会社化は「インサイダー情報で誰にも話をしていない」と強調した。

 NTTの接待問題は、歴代総務相にも広がっている。だが、澤田氏との会食の有無を問われた首相と武田良太総務相は「国民の疑念を招くような会食に応じることはない」と述べるだけだった。

 自ら会食の中身について明らかにすべきだ。それが示されなければ、疑惑の有無を国民は判断しようがない。

 総務省は週内に第三者委員会を作り、検証を始めるという。国会も、予算案の審議が終了しても追及を続ける必要がある。

 首相は総務省への強い影響力を背景に政治家として実力を蓄えた。その中で配慮やそんたくが生まれ、行政がゆがめられたのではないかという疑念が出ている。

 首相は長男の国会招致を含め、主体的に一連の疑惑解明に努めるべきだ。

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