日韓の司法の違い 立法権への介入を考える 名古屋大・岡克彦氏

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元慰安婦支援団体が少女像の建つ日本大使館敷地前で毎週開いている集会=2020年6月3日、堀山明子撮影
元慰安婦支援団体が少女像の建つ日本大使館敷地前で毎週開いている集会=2020年6月3日、堀山明子撮影

 元慰安婦への損害賠償を巡る日本政府を相手取った訴訟で3月下旬、判決が当初予定の1月から延期となった第2次訴訟の審理が再開する。同月の1次訴訟判決では、ソウル中央地裁が日本政府に被害者への賠償を命令した。これが延期に影響したとの観測もあり、韓国の法廷で日本政府が裁かれる事態が相次ぐ可能性が浮上している。韓国の裁判所が外交案件などにも積極的に介入する「司法の政治化」が進むことについて、名古屋大法政国際教育協力研究センターの岡克彦副センター長に話を聞いた。

政治的領域に介入する韓国司法

 1月にあった第1次訴訟判決は、外国政府を被告に裁判できないという主権免除の原則を適用除外とした点で、従来の司法判断と全く違っていた。主権免除の例外という形で韓国の民事裁判権が外交問題に踏み込んだ点で、従来の司法権の限界を超えた、と言える。

 外交問題に司法の裁判権が及ぶことは、日韓関係において、最近見られる傾向だ。韓国憲法裁判所は2004年、米国が要請したイラク派兵の違憲性について、国防および外交に関して裁判所はその判断を自制すべきだと、訴えを却下した。国会という民主主義の過程で判断すべきだとし、高度な政治的判断を要する問題について司法が踏み込まない点で日本とも共通していた。

 そこを突破する契機の一つになったのが、慰安婦問題での韓国政府の外交行為に関する11年8月の違憲決定だと言える。…

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