はやぶさ2試料解析の舞台裏 まさかのゴロゴロ、容器がない/下
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

探査機「はやぶさ2」は2020年12月、「多くてこれくらいだろう」と事前に想定された量をはるかに超える小惑星リュウグウの砂や石を地球へ届けた。これからリュウグウの砂粒一つずつの特徴を記録する「カタログ」を作るキュレーション作業が本格化する。はやぶさ2が持ち帰ったリュウグウの物質をめぐる動きを紹介する2回目は、キュレーション作業のとりまとめ役である臼井寛裕(ともひろ)・宇宙航空研究開発機構(JAXA)地球外物質研究グループ長に、カタログ作りの舞台裏や地球外物質を分析する面白さを聞く。【永山悦子/オピニオングループ】
はやぶさ2が地球へ届けるリュウグウの物質の当初の目標量は、0.1グラムだった。10年に先代はやぶさが小惑星イトカワから持ち帰ったカプセルの中には、目に見えないほど小さな物質しか入っていなかったため、「(はやぶさ2では)目に見える物質が入っていてほしい」「ティースプーン1杯くらいはほしい」というのが、プロジェクトチームの願いだった。
ところが、はやぶさ2のカプセルを開くと、容器からあふれるほどの砂や石が入っていた。重さは5.4グラムあるとされ、目標の50倍以上だった。重さだけではなく、粒の大きさもびっくりするサイズだった。数ミリある粒がゴロゴロ入っていたほか、長さが1センチもある石もあった。津田雄一・プロジェクトマネジャーが「見た時は、ぎょっとした」と話したほどだ。…
この記事は有料記事です。
残り3430文字(全文4027文字)
時系列で見る
-
小惑星の試料、初期分析ヤマ場
621日前 -
「我々がなぜ、ここに」 リュウグウ採取試料の分析始まる 京都
711日前 -
リュウグウの石と砂、分析チームに引き渡し 水や有機物を確認
719日前 -
はやぶさ2が持ち帰った宇宙土産を分析 堀場製作所が特設サイト
723日前 -
リュウグウに惑星初期の物質 はやぶさ2も回収か 立教大チーム
742日前 -
小惑星リュウグウから持ち帰った石、有機物の特徴を確認 JAXA
769日前 -
はやぶさ2搭載カメラ運用終了 寄付で開発、リュウグウ着陸撮影
769日前動画あり -
「日仏協力で地球規模の課題解決に貢献」 宇宙機関理事長が対談
797日前 -
新規入国NGでも14カ国から269人参加 リュウグウ試料分析
808日前 -
はやぶさ2試料解析の舞台裏 まさかのゴロゴロ、容器がない/下
811日前 -
はやぶさ2、小惑星の試料解析の舞台裏 予想との違いに驚き/上
812日前 -
はやぶさ2が届けたカプセル初公開 27日からは国立科学博物館で
816日前 -
はやぶさ2カプセルを初公開「現物の迫力を味わって」 相模原
816日前動画あり -
(下)「探査機の運転手」が広報の中心になったわけ
856日前 -
(上)初の「管制室生中継」が実現した背景は
857日前 -
はやぶさ2 「カプセル回収の舞台裏」 橘省吾・東大教授ルポ・下
872日前 -
はやぶさ2 「カプセル回収の舞台裏」橘省吾・東大教授ルポ・中
873日前 -
はやぶさ2 コロナ下のカプセル回収の「舞台裏」 橘省吾・東大教授ルポ・上
874日前 -
はやぶさ2 2度目の着陸を成功に導いた機転と「奇跡の画像」
880日前