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第103回全国高校野球選手権

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八戸西・出場への道のり

/上 打撃力向上へ「一球入魂」 集中力高める練習 /青森

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八戸西独自の練習「一球入魂」。選手らは集中して1球だけの打席に向き合う=青森県八戸市の八戸西高校で2021年2月25日、南迫弘理撮影 拡大
八戸西独自の練習「一球入魂」。選手らは集中して1球だけの打席に向き合う=青森県八戸市の八戸西高校で2021年2月25日、南迫弘理撮影

 <センバツ高校野球>

 2月下旬、八戸市にある八戸西の室内練習場。津嶋優吉選手(2年)はピッチングマシンと対峙(たいじ)すると、ジッと前を見据えた。順番を待つ選手らが見守る中、放たれたボールを捉えると、場内にカーンと乾いた音が響いた。「当たるようにはなってきたけど、まだまだ集中力が足りない」。1球を打ち終えると、少し渋い表情を浮かべて次の選手と交代した。

 打撃力が持ち味の一つである八戸西。昨秋の県大会では決勝以外の4試合で7点以上を挙げ、続く東北大会では初戦の相手をコールドで降した。さらなる打撃力の向上を目指し秋の大会後に新たに取り入れたのが、マシンやバッティングピッチャーの球を集中して1球だけ打つ独自の練習「一球入魂」だ。

 この練習は、一度きりの打席でも結果が出せるよう最大限に集中させることに狙いがある。学業と部活の両立で十分な練習時間がとれない中、選手らの集中力を効果的に養おうという試みだ。小川貴史監督(37)は「1球を大切にすることを最も意識する練習。選手たちをより試合に近い状態におくことができる」と語る。

 加えて、「一球入魂」で選手たちの気持ちを引き締めているのが、練習で使っているビニールテープの巻かれたボール。これは交流を続けている八戸市の県立特別支援学校の生徒らがいつも作業学習の時間に丁寧に補修してくれているものだ。それだけに選手らは一回一回の練習に気持ちを込めて向き合う。

 新たな練習に取り組み続けて冬が明けた。下井田大和選手(2年)は「1球を大切にしようと集中力が上がった。打つために頭を使って考えるようになった」。出貝尋選手(同)も「いい当たりが増え、初球への意識が変わってきた」と手応えを語る。

 同じ21世紀枠で出場する具志川商(沖縄)との初戦まであと4日。小川監督は「甲子園でも『一球入魂打線』で勝負したい」と力を込める。【南迫弘理】

    ◇

 19日に開幕する第93回選抜高校野球大会に八戸西(八戸市)が21世紀枠で初出場する。チームが大会出場への切符をつかむまでの道のりを振り返る。

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