特集

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスのニュース、国内での感染状況を報告します。

特集一覧

コロナで変わる世界

第3部 イノベーションの時代/1(その2止) 「人生かける」ベンチャーに転身 成功信じる同僚、励みに

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
研究室で作業するカタリン・カリコさん。研究助成金の獲得が大きな壁だった=1989年(本人提供)
研究室で作業するカタリン・カリコさん。研究助成金の獲得が大きな壁だった=1989年(本人提供)

 

降格腐らず、重要な発見

 世界で使用されている新型コロナウイルスのmRNAワクチンは、独ビオンテック社と組んだ米ファイザー社、米モデルナ社がそれぞれ開発した2種類だ。どちらもカタリン・カリコさん(66)=ビオンテック上級副社長=たちが2005年に発表した「発見」とそれに関する特許が基礎となっている。

 カリコさんは1955年、ハンガリー東部の小都市ソルノクで生まれた。精肉業で働く父、母と姉の4人家族。小さなレンガ造りの家で、全員が一つの部屋で寝るつましい暮らしだった。自然科学の面白さを教えてくれたのは高校時代の恩師だったという。国内有数の伝統校セゲド大学に進学し、RNA(リボ核酸)合成の研究で博士号を取得した。

 最初の転機は30歳。所属していた研究機関で研究資金が打ち切られ、米国に拠点を移す決断をする。米東部の二つの大学で任期付きのポスドク(博士研究員)として経験を重ね、89年にペンシルベニア大で助教授のポストに就いた。遺伝子治療への期待が高まり、遺伝子に異常がみられる患者に治療目的で正常なDNAを送り込む試みなどが始まった時期に重なる。カリコさんは、たんぱく質を作る「設計図」であるmRNAを治療に役立…

この記事は有料記事です。

残り2306文字(全文2814文字)

【新型コロナウイルス】

時系列で見る

あわせて読みたい

注目の特集