特集

入管・難民問題

国外退去処分になった外国人の入国管理施設での扱いが注目を集めています。難⺠に厳しいと言われる日本。人権は守られている︖

特集一覧

農繁期「500人連れてくる」外国人労働者巡るブローカーの実態

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
ベトナム人男性が受け取ったフェイスブックの勧誘メッセージ。長野県内の農家での栽培・収穫作業に勧誘する内容だった=東京都内で2020年12月18日、林田七恵撮影
ベトナム人男性が受け取ったフェイスブックの勧誘メッセージ。長野県内の農家での栽培・収穫作業に勧誘する内容だった=東京都内で2020年12月18日、林田七恵撮影

 長野県の浅間山から八ケ岳一帯の山麓(さんろく)では、初夏から高原野菜の出荷が本格化する。2020年の春、新型コロナウイルスの影響で頼みの綱の外国人技能実習生が入国できず、農家の多くは人手不足に直面していた。その時、聞いたこともない会社が近づいてきて豪語した。「500人くらい連れてきます」。「ホアンアン合同会社」と名乗る大阪の会社は、短期間に大勢のベトナム人を農地に送り出した。しかしこの一件は後に、刑事事件に発展する。外国人労働を巡るブローカーの内情とは。【林田七恵、井川加菜美、皆川真仁、野呂賢治】

技能実習から逃れて農家へ

 「求人。時給950円。レタス、キャベツを栽培し収穫する仕事」

 ベトナム南部出身の男性(23)は20年7月、フェイスブック(FB)で知り合った人物からメッセージを受け取った。3日後には東京から新幹線に乗り、長野へ向かった。

 男性はその年の2月、鉄筋施工の技能実習生として来日した。国の調査では、実習生の職場の7割で違法な時間外労働や残業代の不払いなどの違反が横行しているとされる。ご多分に漏れず、男性の待遇も厳しいものだったという。

 手取りは多い月でも13万円。1日に12時間の拘束時間に見合わず、来日費用として借りた金の返済もおぼつかない。職場の日本人から担当外の重い鉄筋運びを押しつけられ、気に入らなければ「国に帰れ」とののしられるのもこたえた。男性は7月、神奈川県内の宿舎をひそかに抜け出した。

 そんな時に収穫の仕事の勧誘を受けた。依頼の元締は大阪に拠点を置くホアンアン。7月のある日、佐久平駅に着…

この記事は有料記事です。

残り2813文字(全文3479文字)

【入管・難民問題】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集