柏崎刈羽原発、再稼働暗礁に 原発事故の賠償計画、再考不可避

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新潟県の東京電力柏崎刈羽原発=本社機「希望」から西本勝撮影
新潟県の東京電力柏崎刈羽原発=本社機「希望」から西本勝撮影

 東京電力柏崎刈羽原発のセキュリティー対策に不備があった問題は、原子力規制委員会が事実上再稼働の手続きを停止する事態にまで発展した。福島第1原発事故から10年。相次ぐ東電の不祥事に地元の反発は増す一方で、東電が早期に目指していた再稼働は暗礁に乗り上げた。柏崎刈羽原発の再稼働を前提とした福島事故の賠償計画は現実とかけ離れており、賠償計画の見直しは避けられない。

怒る地元「撤退の瀬戸際だ」

 「広く社会の皆様に大変なご心配をおかけし、改めておわび申し上げます」。17日の参院予算委員会に出席した東電ホールディングスの小早川智明社長は、相次ぐ不祥事に頭を下げた。

 同原発を巡っては、規制委による7号機の安全審査が昨年10月に終了。安全対策工事にもめどが付いたことで、焦点は再稼働に慎重姿勢を示してきた新潟県の花角英世知事ら地元の同意に移っていた。

 再稼働まで「あと一歩」の段階に迫っていた中、今年1月に歩みが止まる。同原発で東電社員が同僚のIDカードを使って中央制御室に入室していたことが発覚。再稼働への住民理解を得ることが目的だった説明会は住民からの激しい批判を浴びる舞台となった。2月には追加の安全対策工事で不備が見つかり、経営トップの小早川社長が厳重注意処分となる失態を演じた。

 そうした中で新たに明らかになった今回のセキュリティー不備問題。ある地元県議は「今までもいろいろあったが、今回は深刻度が増している。東電が原子力部門から撤退するかどうかの瀬戸際だ。国民の命に関わる問題をなめてもらっちゃいかん」と怒りをにじませる。再稼働に容認姿勢を示してきた同県柏崎市の桜井雅浩市長が「これまで積み重ねてきた時間の経過がリセットされた」と語るなど、再稼働に向けた地元同意への道のりは一段と困難になった。

 規制委の更田豊志委員長は「事実上、原子炉を運転するようなプロセスが前に進むことはないと考えている」と話しており、再稼働までには「1年もしくは1年以上」…

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