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同性婚否定は「違憲」 人権尊重した画期的判断

 同性同士の結婚を認めない現在の制度は、憲法に違反するとの初めての判断を札幌地裁が示した。法の下の平等を定めた14条に違反していると認定した。

 性的指向は多様であるのに、同性カップルは不当な扱いを受けている。そうした人たちの人権を尊重した画期的な判断だ。

 民法や戸籍法は男女が結婚することを前提としており、同性カップルは婚姻届が受理されない。

 判決は、性的指向は人種などと同様に自分の意思によって選択、変更することができないものであり、同性婚を認めないのは合理的な根拠を欠いていると指摘した。

 異性カップルならば結婚によって法的な地位や権利を得られるにもかかわらず、同性カップルにその手段がないのは、差別的な取り扱いに当たると判断した。

 裁判では、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」とした憲法24条の解釈も争点だった。

 判決は、異性婚について定めた規定だと指摘しつつも、同性カップルに対する法的な保護を否定するものではないと明言した。

 同性婚を巡っては社会の意識も変化している。

 実現を目指す団体が一昨年に実施した調査では、7割以上が同性婚に賛成している。同性カップルに社内の福利厚生を適用する企業も増えている。

 東京高裁は昨年、同性間でも事実婚が成立し、法的に権利が保護されるとの判決を出している。

 今回の判断は、時代に即したものだと言える。

 同性カップルの関係を自治体が公的に証明する「パートナーシップ制度」も広がっている。東京都渋谷区が2015年に始め、今月時点で78自治体が導入した。

 法的な拘束力はないが、住宅の入居やパートナーの入院、生命保険の契約などで活用されている。

 しかし、それだけでは限界がある。パートナーの法定相続人になれず、共同で親権は持てない。税制や社会保障でも不利益がある。

 政府は同性婚について「憲法で想定されておらず、極めて慎重な検討が必要」との姿勢だ。

 世界では28の国・地域が同性婚を認めている。国は今回の判決を重く受け止め、権利を守る法制度の整備に乗り出すべきだ。

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