英音楽賞、国籍条件で問題提起 日本人歌手リナ・サワヤマさんに聞く

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リナ・サワヤマさん=グレッグ・リン・ジアジエ氏撮影
リナ・サワヤマさん=グレッグ・リン・ジアジエ氏撮影

 英国の二つの著名な音楽賞を主催する英国レコード産業協会(BPI)は、受賞資格から「英国籍であること」という条件を外すことを決めた。英国育ちの日本人歌手、リナ・サワヤマさん(30)が2020年7月、自身に受賞資格がない現状をSNSに投稿したことがきっかけで議論になり、受賞資格の見直しにつながった。新たな規定に基づく賞の最終候補に残ったサワヤマさんに、問題提起した思いと、作詞、作曲も手がける創作活動について聞いた。

 「素晴らしい気分。ルールが許せば、(初めから)私がノミネートされていたと示しているかのよう。(最終選考で)私が勝者になれなかったとしても、これはとても歴史的に意義のあるルール変更です」。サワヤマさんは毎日新聞のウェブ取材に、喜びを語った。

 サワヤマさんは新潟県出身で、両親は日本人。父親の仕事の都合で4歳で引っ越して以降、約26年間英国に住んでいる。英国の永住権を取得しているが、日本が二重国籍を認めていないこともあり、日本国籍を維持している。

 音楽活動を本格化させたのは英ケンブリッジ大卒業後。20年春に発売したデビューアルバム「SAWAYAMA」は英国人歌手のエルトン・ジョンさんが「今年一番のお気に入り」と称賛するなど高い評価を得ており、世界で1億回超ストリーミング再生されている。昨夏、BPIの主催する二つの賞のうちの一つ、マーキュリー賞へのノミネートが期待されていたが、候補に選ばれず、「英国籍」という条件がネックとなったとみられている。

 サワヤマさんは20年7月、SNS上で「私はここに25年住んでいるというのに十分な英国人ではなく、2大音楽賞の受賞資格すらない」と問題提起。これがきっかけで「サワヤマは英国人だ」などと支持する動きがSNS上で広がった。BPIは英国籍の条件を取りやめ、新たに「英国で5年超居住していること」か「英国生まれ」「英パスポートの所持者」のいずれかを満たすことを条件とした。この変更後、サワヤマさんは、BPIのもう一つの賞、ブリット・アワードのライジング・スター賞最終候補にノミネートされた。

 サワヤマさんは問題提起について取材に「私はルールが正しいとは思わなかった。…

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