扶養照会見直し 自治体で異なる判断基準 国に是正求める声

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生活保護の扶養照会について、親族と「10年程度音信不通である場合」は照会をしなくてよい、とする、厚生労働省が各自治体に出した今年2月の通知
生活保護の扶養照会について、親族と「10年程度音信不通である場合」は照会をしなくてよい、とする、厚生労働省が各自治体に出した今年2月の通知

 生活保護を申請した人の親族に、援助できるかを自治体が確認する「扶養照会」について、申請者が親族と20年ほど音信不通の場合は照会しなくてよいとされてきたが、厚生労働省は先月末、この期間を「10年ほど」に短縮した。照会による親族への発覚の恐れが、申請をためらう原因になると批判され、要件を緩和した。だが「申請者の承諾が前提」「音信不通の期間にこだわらない」などと自治体間で判断基準が異なるケースがあり、国に是正を求める声が上がる。

 扶養照会は、民法で定める両親や兄弟ら「扶養義務者」に対し、申請者の支援が可能かを尋ねるもの。厚労省は先月26日、今回の運用見直しを自治体に通知した。10年ほど連絡をとっていなければ、個別の事情に関わらず交流は断絶していると判断でき、照会の必要はないとした。音信不通となっている期間が分からなくても、相当長い間、やりとりがないと本人が申し出れば、それを否定する明確な根拠がない限り、照会を免除することなどを求めている。

 また、これまでも親族が70歳以上の高齢や未成年だったり、家庭内暴力(DV)を受けているといった事情があったりする場合には照会は不要としていたが、これに「虐待」も加え、さらに「本人が親族に借金をしている」「相続を巡って対立している」など、関係が非常に悪化している場合も不要とした。通知では、丁寧に生活歴を聞き取るなど、申請者に寄り添った対応をとるよう自治体に求めている。

 扶養照会の必要性を判断する要件について、厚労省は…

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