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地元紙として「あの日」を伝える意味を、ずっと考え続けてきた。岩手県大船渡市の新聞社「東海新報社」の記者で、社長も務める鈴木英里(えり)さん(41)はこの10年間、東日本大震災で被災した地元の歩みを報じてきた。ふる里の人々にこの地で生きる「誇り」をもってほしいと、今日もペンを握る。
同社は従業員37人の小さな新聞社だ。「気仙地域」と呼ばれる大船渡、陸前高田、住田の2市1町を配達エリアとし、日刊紙を発行している。現社屋は、1960年のチリ地震で旧社屋が津波に流された経験から、大船渡市大船渡町の高台に建つ。先代社長の鈴木さんの父が2020年1月に亡くなり、社長を継いだ。会社を経営しながら記者としても取材を続ける。
「塩を塗るようで」悲しみ書けず
11年3月11日。激しい揺れの後、鈴木さんは「津波が来るぞ」という先輩社員の話を真に受けず、会社から、担当地区だった大船渡市三陸町の道の駅に向かった。最初にカメラに収めたのは、ひび割れた道路や店舗の崩れた商品棚。2日前の3月9日の地震では、津波はなかった。「今回も大丈夫だろう」と高をくくっていた。
写真を撮り終えた直後、顔を真っ青にした高齢者たちが、軽トラックの…
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