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金言

欧州総局長、外信部長などを歴任した小倉孝保論説委員のコラム。

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英王室と肌の色=小倉孝保

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 オーストリアの作曲家、モーツァルトは幼少期に1度だけ英国を訪れている。1764年4月から15カ月間、家族と共にロンドンに滞在し、ジョージ国王とシャーロット王妃から大歓迎された。

 ドイツ北部の王族からこし入れした王妃は音楽を好み、アリアを歌ってモーツァルトに即興で伴奏してもらっている。王妃はその後、彼の支援者となる。ただ、王妃の名が王室史に刻まれるのは、このエピソードのためだけではない。彼女はアフリカ系(黒人)の血を引き、最近では英王室の人種的多様性の象徴とも考えられている。

 歴史学者によると、王妃の祖先をさかのぼれば、ムーア人(アフリカ北西部のイスラム教徒)と黒人の血を引くポルトガル王族に行き着く。結婚して初めて彼女を見た国王が、新妻の容姿に驚いたという話もある。

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