日銀、緩和長期戦に備え政策修正 「副作用」懸念、手詰まり感も

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金融政策決定会合を終えて、記者会見する日本銀行の黒田東彦総裁=東京都中央区の日本銀行本店で2021年3月19日午後4時15分(代表撮影)
金融政策決定会合を終えて、記者会見する日本銀行の黒田東彦総裁=東京都中央区の日本銀行本店で2021年3月19日午後4時15分(代表撮影)

 日銀は19日に開いた金融政策決定会合で、大規模金融緩和の長期化を見据えた政策の修正を発表した。マイナス金利のさらなる引き下げで収益が悪化する金融機関に実質的な補助金をつける制度を設けたほか、「年6兆円ペース」としている上場投資信託(ETF)の購入方針を見直した。なぜ政策を修正したのか。黒田東彦総裁の19日の記者会見の発言から読み解いた。

黒田総裁は「深掘り余地」を強調

 「金融緩和をより持続的にするためのさまざまな工夫をした」

 日銀は短期金利をマイナス0・1%、長期金利を0%程度にそれぞれ誘導する「長短金利操作」を実施している。日銀は19日、現行政策の点検結果を公表し、「効果があり継続が適当」と結論づけた。

 点検の背景には、金融緩和が“超長期戦”となることへの覚悟がある。日銀は2013年に2%の物価上昇目標を導入したが、達成への道筋は全く見えない。そこへ新型コロナウイルス感染拡大が直撃し、達成はさらに遠のいた。

 一方で、長引く超低金利によって融資や国債運用で稼ぐ金融機関の収益が悪化するなど、金融緩和の副作用が顕在化している。日銀が超長期戦に臨むには、政策を手直しして副作用を和らげることが必要だった。

 「貸出促進付利制度はマイナス金利政策をさらに強化しうるものだ」

 日銀は副作用対策の一つとして、マイナス金利をさらに引き下げる際に、金融機関に事実上の補助金をつける「貸出促進付利制度」を導入した。

 日銀がさらにマイナス金利を下げると、超低金利で疲弊している金融機関の経営への打撃が増す。そのため、市場では「日銀は利下げに動けない」との見方が根強かった。

 そこで日銀は、追加利下げの際に金融機関に払う利息を増やす新たな制度を設けた。黒田総裁は「マイナス金利の深掘り(さらなる引き下げ)ができないという議論があるが、そんなことはない」と述べ、追加緩和の余地が十分あるとアピール。「次の一手」を明示することで、金融政策の手詰まり感の払拭(ふっしょく)に努めた。

 また、長期金利は上下0・25%程度の範囲内で変動を容認した。これまで変動幅は明文化せず、黒田総裁が口頭で上下0・2%程度の変動容認を示唆していたが、政策運営の透明性を確保するため明示することにした。金利の変動幅が広がれば、金融機関が国債などを売買する機会が増えることが期待できる。一方で日銀は、過度な上昇は強力に抑え込み、超低金利政策を続ける姿勢も強調した。

 「メリハリを利かせ、弾力的にETF…

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