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深刻さを増す「コロナフレイル」 感染予防が奪う高齢者の体力

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緊急事態宣言の期間中にあたる今年1月15日、参加者同士で距離を取りながら体操する高齢者=多摩市役所提供
緊急事態宣言の期間中にあたる今年1月15日、参加者同士で距離を取りながら体操する高齢者=多摩市役所提供

 新型コロナウイルスの感染拡大で外出や運動の機会が減ったことは、人の体に何をもたらしたのか――。大阪市など3自治体がそれぞれコロナ流行前に測定したデータと比較したところ、いずれも「身体機能が低下した」と結論づけていた。介護予防を目的とした日常活動が途絶えると、高齢者の体に何が起きるのか。【村田拓也】

3自治体が感染前後で高齢者の「フレイル」調査

 調査を実施していたのは、大阪市、東京都豊島区、多摩市。3自治体はいずれも、住民主体によるスポーツやボランティアなどを行う「通いの場」や、自治体主催の体操教室を日常的に開催してきた。これらは、介護保険の「要介護」「要支援」の状態とならずに済むよう、健康を維持する目的がある。

 昨年4~5月にかけての緊急事態宣言の期間中、感染予防を目的に全国にある多くの「通いの場」が活動を休止。この間、外出機会の減った高齢者が「フレイル(虚弱)」に陥ったり、体力が低下したりしたケースが指摘された。このため、3自治体はそれぞれ感染拡大前後の影響について調べていた。

大阪市「悪化は外出機会や人と話す機会が減ったのが背景に」

 大阪市では、通常の加齢による衰えとの違いを明確にするため、同じ高齢者が3年間連続で参加する体力測定値を調査。感染拡大前にあたる17~19年度の約200人の集団(A)と、宣言期間が含まれる18~20年度の約200人の集団(B)に分けて分析した。

 特に、2年目から3年目にかけて数値が悪化した人の割合でみると、…

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