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春のセンバツ開幕 選手の安全支える大会に

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 第93回選抜高校野球大会が開幕した。新型コロナウイルス感染症の影響で昨年は中止となり、2年ぶりに開かれる春の甲子園だ。

 昨年は夏の全国選手権も開催できず、センバツ出場校が夏の甲子園で「交流試合」を行う異例の年になった。

 コロナ禍の苦労は今も続いている。だが、制限された環境の中で選手たちは懸命の練習を重ね、ついに大舞台にたどり着いた。

 開会式の選手宣誓で、仙台育英(宮城)の島貫丞主将は「当たり前だと思う日常は誰かの努力や協力で成り立っている」と語った。その感謝の気持ちを胸に、「2年分の甲子園」で思う存分に実力を発揮してほしい。

 大会本部は感染防止対策を徹底している。開幕前には選手ら出場32校の関係者にPCR検査を行い、全員の陰性が確認された。

 開会式は、密集を避けるため初日に登場する6校だけで行われた。他の26校は事前録画した行進の映像を大型スクリーンに映す特別な措置が取られた。

 大会中に選手らに感染者が出た場合は緊急対策本部を開いて出場可否を協議し、参加が困難な時は相手チームの不戦勝とする。

 観客数の上限は政府方針などを踏まえて1万人となった。応援は大声を出さず、各校の吹奏楽部が今大会のために録音した演奏が球場内のスピーカーから流される。

 今も感染収束の道筋は見えず、変異ウイルスの拡大が警戒されている。大会の運営には細心の注意が必要だ。

 今回は、投手の肩やひじの負担を軽減するため、1週間に投げられる投球数を「500球以内」に制限する最初の甲子園大会でもある。あらゆる面で選手の健康や安全を支える大会にしなければならない。

 東日本大震災が起きてから10年がたつ。当時も困難な状況で大会は実施され、参加が危ぶまれた被災地のチームが地元の激励を受けて甲子園の土を踏んだ。

 今月下旬にかけて、昨年中止となった高校スポーツの全国選抜大会が各地で開かれる。

 どの競技でも大歓声の応援はまだできないが、周囲の励ましに後押しされ、躍動する高校生の姿にエールを送りたい。

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