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建設現場でのアスベスト(石綿)を原因とした健康被害を巡る訴訟で、国の賠償責任を認めた司法判断が確定したことを受け、厚生労働省の幹部が21日、大阪市内で大阪訴訟の原告らと面会し、「責任を感じ、深くおわび申し上げます」と謝罪した。
新型コロナウイルスへの対応などで訪問できない田村憲久厚労相に代わり、同省の小林高明・大臣官房審議官が田村氏の謝罪文を代読した。原告側からは約50人が出席した。
27年間大工として働き、肺がんを発症した原告の西岡浅夫さん(78)=大阪府守口市=は原告を代表してあいさつ。大阪訴訟では提訴後に原告6人が亡くなったことに触れ、「大変残念だっただろう」と悔やんだ。酸素吸入器が欠かせない生活を送っており、「被害者や家族が安心して暮らしていけるよう、留意してほしい」と要望した。
原告側は国や建材メーカーが基金を作り、被害者に補償する制度の創設などを求めた。【藤河匠】