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発見!お宝 横浜美術館/6止 コンスタンティン・ブランクーシ 空間の鳥 金属製品?芸術作品?

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 動物や人物を極限まで単純化した造形表現によって20世紀美術に大きな影響を与えたブランクーシ。その創作活動の中核をなす連作が「空間の鳥」である。

 ブランクーシは、1923年から20年近くにわたって、形状や素材を変えながらこの連作に取り組み続け、最終的に十数種の同名作を遺(のこ)している。横浜美術館所蔵の1点は、そのうち26年制作の石膏(せっこう)像を原型として、作家の没後に元助手の監修下で鋳造されたもの。ゆるやかな弧を描いて天に伸びあがるその形態はこの上なくスタイリッシュで、「シンプル・イズ・ビューティフル」という格言を見事に体現している。

 本作をめぐっては、いまも語り草となっている逸話がある。この話は、26年にアメリカの著名な写真家がパリのブランクーシのアトリエを訪れて同作(当館所蔵作と同じ原型から鋳られたもの)を購入し、作品を自国に持ち込んだことに端を発する。当時、アメリカの関税法では絵画や彫刻は無税だったが、ニューヨーク港の税関は本作を彫刻ではなく「金属製品」と見なし、40%の関税を課したのである。それを不服としたブランクーシ…

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