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聖火と私

(上)震災10年、亡き夫と、娘と、共に走る

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聖火ランナーの山内美代子さん=宮城県南三陸町で2021年3月4日午後4時31分、井手千夏撮影
聖火ランナーの山内美代子さん=宮城県南三陸町で2021年3月4日午後4時31分、井手千夏撮影

 東京オリンピックの聖火リレーが25日、福島県から始まる。1年延期になり、東日本大震災から10年に重なった。121日間かけて約1万人が全国を巡る。震災の遺族、医療従事者、幻のモスクワ五輪代表――。コロナ禍に見舞われ、辞退者も出ている中、トーチを掲げる人々の思いを聞いた。

「頑張ってるよ」と伝えたい

 「『私、頑張ってるよ』。そう夫に伝えたい」。宮城県南三陸町の山内美代子さん(63)は、東日本大震災で消防署員の夫を亡くした。今も時間は「あの日」で止まったままだが、一つの目標がある。6月に東京オリンピックの聖火ランナーとして走ること。少しずつだけれど元気になっていく姿を、亡き夫に見ていてほしいと願う。

 2011年3月11日。夫吉勝さん(当時58歳)は、勤務していた南三陸消防署の近くで住民の避難誘導をしている最中に津波に巻き込まれたとみられる。地震発生時、自宅で一緒にいた美代子さんは車で職場に向かう夫を止めなかった。「あの時、『行かないで』って言えばよかった。でもそれを言ったら本人を苦しめてしまう」と振り返る。

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