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「日常回復」歓迎も再拡大への警戒強く 京都で時短要請解除

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飲食店への営業時間短縮要請が解除された初日、京都の繁華街・先斗町を歩く人たち=京都市中京区で2021年3月22日午後6時18分、山崎一輝撮影 拡大
飲食店への営業時間短縮要請が解除された初日、京都の繁華街・先斗町を歩く人たち=京都市中京区で2021年3月22日午後6時18分、山崎一輝撮影

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため関西3府県が続けてきた飲食店への営業時間短縮要請は22日、京都だけ全面解除された。京都市内では2020年12月21日に始まった要請が3カ月ぶりになくなり、通常営業に戻した店や、緊急事態宣言が解除されたばかりの首都圏からの旅行者も見られたが、「日常の回復」への歓迎ムードには感染再拡大への警戒も交じる。一方、大阪市では最長で11月27日から、神戸など兵庫の4市では21年1月12日からそれぞれ時短要請が継続し、経営者らは諦めの声に疲労感もにじませた。

「解除発表の少し前から予約増」

 京都市の繁華街・先斗町や木屋町周辺では夜になると飲食店をのぞく通行人の姿が見られた。休業の張り紙やテナント募集の看板が見られる店も複数あってコロナ禍の影響を示す。市内在住の主婦(60)は「店は感染対策をしっかりしているし、解除は良かった。府外からの人も増えると思う」と話した。

 埼玉県から旅行に来たという30代の男性会社員は「外食がしやすくなった」と歓迎。首都圏の宣言解除には「まだ早いと思うが、京都で閉まっている店をたくさん見ると経済も心配だ」と語りつつ、「感染再拡大への懸念はあり、まだまだ喜べる状況ではない」と複雑な表情を見せた。

 祇園で広東料理店「ぎをん翠雲苑」を経営する太田磯一さん(58)は22日から午後10時までの通常営業に戻した。「感染者数が減っていたからか、時短要請解除が発表される少し前から夜の予約が少人数ながら増えつつあった」と話す。22日の予約は2件だが、月末にかけ会社関係の予約が入ってきているという。「時短要請で外食を自粛していたお客さんの気分の変化は大きいだろう」と語った。

「さらなる要請には…分からない」

 大阪市の飲食店では午後9時までの時短要請が今月末まで延長された。繁華街ミナミの老舗おでん店「南たこ梅」は要請に最初から応じ続けているが、岡田隆雄社長(62)は「22日からは緩和され、午後10時までは営業できると期待していた。厳しい経営が続く」と打ち明ける。20年度の客数は前年度比7割減で冬場の書き入れ時も終了。「感染のリバウンドは心配」と要請延長に理解を示しつつ、「従業員の雇用を守るため、さらなる要請があった場合に応じられるかどうかは分からない」と話した。

 同じく要請延長となった神戸市。歓楽街「東門街」に近い焼き肉店「はまだ」は客が1、2組の日も少なくないという。店長の濱田謙太朗さん(35)は「ここ1年、客足が戻っては感染が拡大する事態が繰り返された。中途半端に解除するより継続した方がいい。まだ待つしかない」と淡々と語った。【福富智、鶴見泰寿、中田敦子】

大阪は2月上旬から夜の人出増え続け

 大阪の繁華街では緊急事態宣言中だった2月上旬から夜の人出が増え続けていることが東京都医学総合研究所などの調査で示された。過去のデータでは人出が増えてから3、4週間後に感染者数が上昇する傾向がある。同研究所の西田淳志・社会健康医学研究センター長は飲酒を伴う夜の会食が感染リスクを高めると指摘。「大阪では感染が再拡大する可能性が高い。マスクを外した会食を避ける重点的な対策が必要だ」と呼びかけている。

 同研究所は東京大発のベンチャー企業「ロケーションマインド」と連携して不特定多数の携帯電話の位置情報を分析。その動きから居住者や通勤・通学者を除外し、繁華街の同じ場所に15分以上滞在した人のデータを抽出した。

 大阪府内のキタ、ミナミ、新世界など7地点のデータについて午後8~10時の2時間の合計を1週間ごとに比べると、1月31日~2月6日(計約84万人)を底に上昇を続け、宣言解除後の3月7~13日は6割増の計約135万人に達した。

「解除のアナウンス早すぎた」

 大阪府の緊急事態宣言は2月末までで解除されたが、その前から繁華街の夜の客足は戻り始めていたことになり、解除後は増え方が加速していた。西田氏は「大阪では宣言解除のアナウンスが早過ぎ、期間中に最後の仕上げができなかった」と指摘する。

 大阪では3月中旬ごろから1日の新規感染者数が再び増えて100人台となる日が目立ち始めており、西田氏は「リバウンドの兆候とみるべきだろう。会食で飛沫(ひまつ)感染してから家庭や学校でウイルスが広がるまでにタイムラグがある。感染者数に表れるのはこれからだろう」と警鐘を鳴らす。その上で「高齢者にワクチンが行き届くまで会食自粛に協力してほしいなど、見通しを示した上で呼びかける工夫なども必要だ」と話した。【高瀬浩平】

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