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第93回選抜高校野球 八戸西・福島投手 189センチエース「夏戻る」

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一回のピンチを切り抜け、笑顔を見せる八戸西の福島蓮投手=阪神甲子園球場で2021年3月22日、藤井達也撮影 拡大
一回のピンチを切り抜け、笑顔を見せる八戸西の福島蓮投手=阪神甲子園球場で2021年3月22日、藤井達也撮影

 <2021 第93回センバツ高校野球>

 仲間と夢見た舞台、「楽しんで勝とう」とマウンドに上がった。第93回選抜高校野球大会第3日の22日、21世紀枠対決で八戸西(青森)の福島蓮投手(3年)は二回、高めに浮いた直球を打ち込まれ、4連打を浴びるなど4失点。189センチの長身から投げ下ろす直球で全国的にも注目されたが五回降板に追い込まれた。

 公立高で私立高を倒して甲子園に行こう――。そんな思いで集まったチームだった。

 選手18人のうち、福島投手のほか、宮崎一綺(かつき)主将(同)や広田大和選手(同)ら8人が八戸市の中学硬式野球クラブチーム「八戸ウエストクラブ」の1期生だ。クラブのメンバーらと決め、一緒に八戸西に進学した。子どもたちの様子を見守ってきた母由香子さん(45)は「ウエストでは心から野球を楽しんでいた。みんなで甲子園に出場するのは夢のよう」と話す。

 仲間と共に甲子園を目指すため、自身は進学後、体重の増加に取り組んだ。入学時は身長186センチ体重59キロと細身だったが、三度の食事のほか、毎日母が握る小さめのおにぎり5個などを食べ、189センチ70キロまで成長した。そのかいあって、秋季県大会では全5試合に先発し、28奪三振を記録。東北大会でも強豪・花巻東(岩手)と対戦し1―2と接戦を繰り広げるなど、エースとして自信をつけた。

 あわせて同校OBでプロ野球・北海道日本ハムの選手だった中村渉コーチ(41)の指導で下半身の強化にも力を入れ、冬の間は股関節に体重を乗せて投げるフォームに修正。ストレートのコントロールが安定し、球威も増した。

 しかし、迎えた全国の舞台は甘くなかった。普段と違うマウンドに対応できず、調子をつかめなかった。二回に4失点した後もコントロールが安定せず、四回に1点を献上し五回でマウンドを降りた。

 「本来の投球ではなかった」。スタンドで見守った中村コーチは語り、試合後のインタビューで福島投手は「悔しい」とぽつり。思うような投球はできなかったが「中学生の頃からの夢の舞台に立てたのはうれしかった」。

 今後は直球の質を磨き直すつもりだ。そして「夏、またみんなでこの舞台に帰ってきたい」と前を向いた。【南迫弘理】

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